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MC:今日は豪華なキャストがそろっていますが、なんと今日は本作をご覧いただいて大変に共感し、応援していただいている方にスペシャルゲストとしてお越しいただいております。ジャズシンガーの綾戸智恵さんです!
MC:綾戸さんは、劇中の演奏シーンはもちろんなのですが、皆さんの友情、絆に感動していただいたということです。三木監督、先日行われたトークショーでは、綾戸さんからかなり感動的な、シビれるセリフをいただいたということですが。 三木監督: 自分自身、映画を撮る時にそこまで意識的にやっていたわけではないんです。ですが、綾戸さんの言葉で気づかされたことがありました。「独り立ちというのは一人で立つことではないんだ。人は一人じゃないと気づくことが独り立ちにつながるんだ」ということです。きっとこの映画で薫と千太郎の成長を描く上で、自分が描きたかったのはこれだったんだと腑に落ちました。綾戸さんが言葉にしてくれたのがすごく目からうろこだったというか、嬉しかったです。ありがとうございます! 綾戸さん: 自立とか言うけれどね、チンパンジーでも10日間ぐらい訓練したらパンツは自分で履けるようになるねん。ただ(パンツを)自分で履けるというのが自立じゃないねん。誰かと一緒にけんかしたり泣いたり...。(知念さんに)よう泣いたな、あんた。この人(中川さん)と抱き合って。あまりこの人(小松さん)と抱き合うシーンはなかったけれども(笑)。誰かの寂しさや、つらさを分かち合うことが自立ということやと思います。(中川さんに)あなたがドラムを始めるきっかけはまるっきり私と一緒です。実家の隣の、ピアノを弾くおばちゃんがあまりにも面白かったから、「私もピアノをやりたい」と言ったのがきっかけでした。仲間になりたかったんです。ピアニストになりたかったんじゃなくて、自分の寂しさを埋めるというか、居場所を探し、そこで一緒に共感し合いたかったんです。 (ディーンさんに向かい)そしてこの人がな、しゃれた兄ちゃんや(笑)。 ディーンさん: ありがとうございます(笑)。 綾戸さん: あの時代の、政治運動や学生運動などの、そういう時代感覚もものすごくよく描かれていました。キャスティングが花まるやな。私も、近所のジャズ喫茶のおばあさん役で出たかったです(笑)。 三木監督: 出てほしかったですね(笑)。 綾戸さん: 音楽のことでいうと、うちのバンドメンバーのベーシスト鈴木正人が本作の音楽を担当しています。 三木監督: ご縁があってお願いいたしました。実は本作の音楽を担当していただいた鈴木正人さんは、綾戸さんのバンドでベースを弾いているんです。 綾戸さん: この間もライブハウスで一緒でした。今日も「あんたの代わりに行ってくるわ」と言ってきました(笑)。映画というものは、やっぱりそれぞれの年代でいろいろな見方ができますよね。私も若い時を思い出しました。 MC:今日は綾戸さんも交えまして、会場の皆さんと本作の感動をシェアしたいと思います。皆さん、会場に入る時にお配りしたパネルをお持ちですか? まずは会場の皆さんに、「音楽」「恋」「友情」、この作品のどこに感動したのか、パネルをあげていただきたいと思います。では感動ポイントをあげてください。(お客さまが一斉にパネルをあげる) 三木監督: (会場を見渡して)「友情」が多いですね。「音楽」もある。でも「恋」がまったくない(笑)。ただ、この友情って律ちゃんも含めての「友情」ですからね。 MC:どうですか知念さん、この結果は意外ですか? 知念さん: (ちょっと落ち込みながら)「恋」がないのは意外と...。(観客:笑) 三木監督: ラブシーンを頑張ったのに? 知念さん: 「一つあげるならば」という結果ですよね。これは。 中川さん: (会場を見渡して)何人か「恋」に変わりましたね。(観客:笑) 綾戸さん: (映画で描かれているのは)初恋やね。恋というよりは、淡いものを感じます。 MC:監督、薫と千太郎の関係も何か、「恋」に近いような運命的なものがありますよね。 三木監督: そうですね。普通、男女でやるラブストーリーの演出を二人の時のシーンでやったりしました。最初の出会いのシーンでは、サーッとスローモーションになって音楽がかかりますから。 知念さん: そのシーンは千太郎くんが「美しい!」という感じでしたね。 中川さん: 知念くんがヒロインの顔でしたもんね。 三木監督: それこそ、文化祭の後の坂を駆け下りるシーンなどは、映画「卒業」のラストシーンみたいな、なんならそのまま駆け落ちするんじゃないかという感じのノリですよね。 MC:綾戸さん、会場は「友情」を感動ポイントとしてあげられる方が多かったですね。 綾戸さん: そうなると思いますよ。お兄ちゃん(中川さん)が最初のシーンで寝ているやん。そこで二人が出会うやん。そして今度は泣くやん。どのシーンもラブシーンやね。その二人の間に彼女(小松さん)が入って、三角関係やったね。ええ感じでした! MC:小松さん、そんな意見もありますが、いかがですか? 小松さん: 二人がすごく美しかったです。キスしそうなぐらい近かったシーンがありましたよね。
知念さん: 教会のオルガンのシーンね。 中川さん: 初めて名前を呼ぶシーンだね。 小松さん: キスするんじゃないかと思って、複雑だった(笑)。 MC:そういう映画として浸透しそうですが(笑)。そういう風に見えることもありつつということですから。ではキャストの皆さん、そして綾戸さんにもどこにグッときたかをあげていただきましょうか。 (一堂、パネルをあげる。三木監督、小松さん、中川さんが「音楽」、知念さん、ディーンさん、綾戸さんが「友情」) 知念さん: (パネルを見渡して)「恋」はどこへ行ったかな...(笑)。 綾戸さん: 「音楽」は相当頑張ってたね。ミュージシャンとしてそこは言いたいわ。ホンマににすごいなと思った。あの演奏には参りました。 ディーンさん: 僕も一応(トランペットを)吹いていたんですが(笑)。 綾戸さん: あんたは顔が先に出てしまう(笑)。あんたの顔を見て、ワーッと(綾戸さんの)鼻の下が伸びてしまって、私が狂います(笑)。でもこの若手の頑張りで、日本の映画の前進を見ましたね。昔から日本って楽器を触る時の演技がアメリカ映画よりぬるいと言われていました。でも、この映画では「ホンマに弾いてるのちゃうの?」って思うぐらいすごかったですね。(中川さんに向かって)またこの人が嬉しそうな顔をしてドラムをたたくのよ。私のバンドでたたいてみる? (観客:大笑い) 中川さん: 音楽そしてジャズを愛されているプロの方からお言葉をいただけるというのは本当に嬉しいです。 綾戸さん: 技術でたたいているという感じがしなかったんですよ。「俺、幸せ!」「俺、人生でこんなに幸せ!」という風に見えました。 中川さん: 楽しかったです! 知念さん: セッションしている間も幸せだったもんね。 綾戸さん: 「人生を見つけた」みたいな表情をしとったな。(劇中で)お家へ帰っても寂しかったやん。家族の弟たち、妹たちがいるけどな。でも演奏している時だけはじけてるんですよ。 三木監督: 地下室で梅雀さんも含めて四人でセッションをするシーンは、やはり年齢を問わず、一つの音楽をみんなで奏でることでつながる感じとか、ワクワクする感じがありました。ディーンさんや梅雀さんが、二人を受け入れて抱擁する感じがすごくよかったです。 MC:ディ―ンさんが演じる皆さんの憧れと言ってもいい淳兄。演奏シーンに包容力を感じました! ディーンさん: たぶん僕が一番(演奏シーンが)危なかったですね(笑)。 三木監督: いやいや、そんなことない! ディーンさん: 僕が一番怪しかったと思いますけれどね(笑)。でも、本番の前に生音だけでセッションした時も「形になってるな!」と思えました。あの時はすごく楽しかったね。 知念さん: めちゃくちゃ楽しかったですね! 三木監督: それこそディーンさんはアーティストなので、「楽器は何でもできるだろう」と思われるかもしれないですけれど、今回トランペットに初挑戦ですもんね。 ディーンさん: めちゃくちゃ練習しましたよ。 三木監督: 軽く演奏しているように見えますけれども、めちゃめちゃ...。 綾戸さん: クールやった...。「僕は本当にいいのかな」という感じがものすごくよく出ていたね。 ディーンさん: 監督はどう思っていたのか分からないのですが、僕としてはチェット・ベイカーをすごく意識して役作りをやっていました。最初の歌のレコーディングの時も、オリジナルのチェット・ベイカーの歌い方を意識しましたね。 MC:それを見守っていたのが小松さんでしたね。セッションを見守るのはどんな気分でしたか? 小松さん: すごく感動しました。自然と涙が出てくる感じでしたね。ディーンさんと梅雀さんの音の支えがあって、そこに二人が入っていくというところも良かったですし、自分も自然と体を揺らしちゃうぐらい楽しかったです。「こんなに楽しんじゃっていいのかな?」と思うくらいにすごく幸せでした。 MC:(奥で綾戸さんとディーンさんが盛り上がっている姿を見て)すごく二人でしゃべっていましたね。 綾戸さん: (ディ―ンさんがチェット・ベイカーをイメージした話に戻り)役者さんだからイメージを持ちたいんですよね。だから映画の中では、あの(チャット・ベイカーの)ムードでこの役ができるんじゃないかとか、いろいろと試行錯誤をなさったんと違いますかね。 ディーンさん: きれいな言い方をするとそういうことですね。 綾戸さん: そんな感じがしましたね(笑)。
MC: 知念さんはピアノに関して、どなたか参考にされた方はいらっしゃるんですか? 知念さん: 参考というよりかは僕は必死に覚えてやるしかなかったです。 三木監督: 素敵な先生がいたからね。 知念さん: そうですね。ジャズをやられている方なんですが、弾いている姿がすごくかっこよくて...。先生を一番参考にしました。 MC:かっこよく弾いている姿には感化されますよね! 知念さん: そうですね。真似したくなります。 MC:綾戸さんも太鼓判の演奏シーンをぜひ大人の方々にもたくさん観ていただきたいですね。共感する部分がたくさんあると思います。 綾戸さん: 映画は観る人のジェネレーションで決まります。本作を音楽映画だと言う人もいると思うし、恋の映画だと言う人もいると思うし友情や人生の映画だと言う人もいると思います。観てくれる人の数だけ、映画のとらえ方があると思います。 MC:綾戸さんにも太鼓判を押していただけたら、きっと全国に届くんじゃないかなと思います! 綾戸さん: 宣伝して歩きます! 三木監督: よろしくお願いします(笑)! MC:それでは最後に一言お願いいたします。 綾戸さん: 映画というものは人生をポッと見せてくれます。これ以上の教科書はないと思います。私は映画や音楽には、国境を感じません。だからこそ皆さん、気軽な気持ちで観ていただきたいです。老若男女がみんな観ることのできる映画だと私は思います! 知念さん: 本日はお越しいただきましてありがとうございました! 綾戸さんもお忙しい中、熱いお言葉ありがとうございました! あと三日で公開ということで、公開前にこうやって盛り上がることができて良かったです。本作の感想をぜひ「坂道のアポロン」応援サポーターとして周りの人に伝えてください。SNSなどでネタバレにならない程度に書いていただけたらなと思います。皆さんと一緒に、盛り上げていけたらなと思っておりますので、ぜひよろしくお願いたします!
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