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原作者から手紙のサプライズ! 知念侑李ら感涙!「坂道のアポロン」公開御礼舞台挨拶

原作者から手紙のサプライズ! 知念侑李ら感涙!「坂道のアポロン」公開御礼舞台挨拶
<左から、三木孝浩監督、中川大志、知念侑李、小松菜奈>
小玉ユキの大人気漫画を旬のキャスト陣で実写化した「坂道のアポロン」。公開後、初日出口調査で満足度95%、レビューサイト「Filmarks」初日満足度邦画1位を獲得するなど高い評価を得ています。
この度、ヒットを記念して3月19日、東京・TOHOシネマズ 六本木ヒルズにて公開御礼舞台挨拶を開催。知念侑李さん、中川大志さん、小松菜奈さん、三木孝浩監督が出席しました。登壇陣にはサプライズで、原作者の小玉先生からの手紙が読まれ、知念さんらが涙する一幕も! こちらの舞台挨拶の模様をレポートいたします!
知念侑李さん(西見薫役)
なんと初日満足度邦画1位ということで、この映画がたくさんの人の心に届いていることを知って、本当に嬉しく思っています。今日、ここに来てくださった方々、そしてこの映画を観てくださった方への感謝を胸に、いい舞台挨拶になればと思っております。よろしくお願いいたします。
中川大志さん(川渕千太郎役)
一週間ほど前に同じスクリーンで初日を迎え、早いもので10日くらい経ちました。いろいろなところで素敵な感想をいただき、改めて「この映画に関われてよかったな」と毎日かみしめています。こうやって僕らが集まって話をするのは最後になりそうな気がしているので、今日は最後まで出し尽くしたいと思います。
小松菜奈さん(迎律子役)
公開から一週間くらい経ちましたが、本当にいろんな方々に観ていただけています。感想を見ていると世代によって意見や涙する部分が違ったりして、見るのがとても楽しいです。この作品に携わって、改めてモノづくりの楽しさ、大変さ、一つのものに向かってみんなで熱く語ったりする楽しさを確認できました。またスクリーンで観ていただけたら嬉しいです。
三木孝浩監督
映画いかがだったでしょうか? (拍手を受けて)ありがとうございます。今日は平日の午後ですよ。四時くらいから観てくださって...。会社休んだりしていませんか? 公式にみんなでそろってご挨拶できるのは最後だと思うので、思い出に残る舞台挨拶したいと思います。よろしくお願いいたします。

MC:3月10日に公開され、いろいろな反響が届いているかと思います。

知念さん:
山田涼介が観に行ってくれていてビックリしました。電話で10分くらい映画の感想をずっと話してくれました。こんなに話したのは久しぶりでした。「本当にいい映画だった」と言ってくれました。「微力ながら応援する」と言ってくれて、嬉しかったです。

中川さん:
いつも辛口な姉がほめてくれて、「今までで一番よかった」と言ってくれました。僕、自分が出演している映画を映画館で観たことがなかったのですが、実は先日、知念くんと二人で観たんです。すごく嬉しかったのは、文化祭のセッションシーンで、僕らは練習を含め何十回、何百回と叩いているシーンなので、自然と手が動き出すんですが、客席が揺れていたんですよ。観ているお客さんが乗ってくれていたのかなと思うと、嬉しかったです。

小松さん:
私も両親から「観に行った」と連絡が来て、観る前は「どんな感じの映画なの? 壁ドンとかアゴクイとかあるの?」という感じでした(笑)。お母さんたちの世代には青春ものと聞いたらそういうのが思い浮かぶらしくて、「ちょっと『うーん』って思っちゃう」と言っていたんですが、観たら「すごくよかった」と言ってくれました。泣いたと言ってくれて...。友達に佐世保の人がいたらしく、本当によかったとずっと話してくれました。「素朴な恋と音楽からつながる友情がどの世代にも響いてくれるんじゃないか」と話してくれましたね。

MC:壁ドンとかアゴクイとかだけじゃなく、心の中がキレイに見えてくる瞬間があるんですよね?

三木監督:
僕はそういう映画も好きですが...。

知念さん:
そういうのもいいですけれど...

三木監督:
ツイッターとかで感想をいただきますが、50代、60代の方々の感想がすごく多くてびっくりしています。最近の作品の中では上の世代に響いている感じで嬉しかったですね。びっくりしたのはツイッターで「いぬやしき」や「GANTZ」の漫画家・奥浩哉さんが大絶賛してくれたんです。あんなにバイオレンスな漫画を描いている人がほめてくれていて「傑作だから観に行った方がいい!」とつぶやいていたんです。メチャクチャ嬉しかったです。

知念さん:
各界の方からの声は嬉しいですね。

MC:劇場で映画を観た皆さんの質問をツイッターで受けております。「皆さんの運命を変えた出会いは何でしたか?」

知念さん:
運命を変えた出会い? (中川さんに)ありますか? まだ19年しか生きていないけれど...。

中川さん:
僕は今回の撮影中にありました。大分県豊後高田市で、ムカエレコードがある商店街のシーンはそこで全部撮影したんです。そこの近所にあるお肉屋さんで人生で初めて、とり天を食べまして、それが衝撃的過ぎました。「鶏ってこんなにサクサク!?」と驚いて、唐揚げとも違うんです。この作品の舞台挨拶では食べ物の話ばかりですが、お弁当抜きにしてバクバク食べるくらい、またそれを食べに大分に行きたいなってくらいおいしかったです。

知念さん:
こういう感じのを話せばいいの?

三木監督:
いや、もっとあるでしょ!

中川さん:
僕は人生変わりましたよ。

知念さん:
僕は「嵐」や大野(智)くんを知ったことで今ここに立っているんです。それがなければ今頃ニートだったかな...?

中川さん:
そんなことないでしょ!

知念さん:
それくらい出会えてよかったなと思っているんです。ダンスとかすごくカッコよくて...。僕も小さい頃からダンスをやっていましたが、「それが仕事になるんだ!」「こんなに人を感動させることができるんだ!」「僕もステージに立ちたい!」と思い、事務所に入りました。

中川さん:
なんか、僕の話すみませんでした(苦笑)。

小松さん:
私は特にないかなぁ(苦笑)。何だろう?

中川さん:
結構、考える時間あったよ(笑)?

小松さん:
真剣に言うと、女優業は自分を変えてくれたなっていうのはあります。12歳からモデルのお仕事をして、18歳くらいで女優業のお仕事を始めました。映画の現場が大好きなんです。映画の家族感――ずっと一緒にいて、同じものを食べて、地方に撮影しに行ったり、というのは、新しい世界を見せてくれます。いろんな役者さんと会っていろんな話をして、すごく刺激的なところだなって思っています。これがなかったら私、腐っていたんじゃないかなって思うくらいの楽しさを知って、今は幸せだなって思います。

中川さん:
同じです、僕もすごく共感します!

知念さん:
急に入って来たね。さっきの取り返そうとして(笑)。

三木監督:
乗っかったね(笑)?

MC:作品ごとに人生観が変わったりすることも?

中川さん:
ありますね。また全然違う景色が見えるというか。

知念さん:
全然やったことのなかったことに出会える、ピアノだったりドラムだったり。ジャズも素敵だなって思えるきっかけになりました。

MC:「家族のよう」という話もありましたが、三木組も...。

知念さん:
家族ですよね?

小松さん:
親戚みたいな感じ?

中川さん:
本当に家族みたいな感じです。お母さんは、原作者の小玉ユキ先生で、三木監督がお父さんでたくさんのキャストとスタッフが、親戚家族のようでした。

三木監督:
自分がそれこそ映画を好きになったきっかけは、小学二年生の頃、大林宣彦監督の「時をかける少女」という映画を観て、「物語の世界、映画の世界ってなんて素敵なんだろう!」「自分もずっとこの世界に浸っていたい」と思ったことでした。今回すごく嬉しかったのは、大林監督が今回の映画を観て、すごく素敵なコメントを寄せてくださったことです。10代の頃、大林監督に憧れて監督になりたいと思った自分に「観てもらえたんだよ」と伝えたいくらいです。

MC:「坂道のアポロン」も青春映画なんですが、感情を深堀りしていくさまは、大林作品と近いものを感じます。

三木監督:
ありがとうございます。だからこそ、僕がそうやって大林監督から受けた一生の出会いのように、今回、この「坂道のアポロン」を観てくださったお客さんにとって、この映画がそういう生涯の一本になってくれたら嬉しいです。

MC:ここでサプライズなのですが、原作者の小玉ユキ先生から皆さまへのお手紙を預かっております。

小松さん:
手紙はヤバいよ!

知念さん:
聞いていないやつだ(笑)!

小玉先生の手紙

三木孝浩監督へ
実写映画化の企画が立ち上がった当初は、正直に言うとあまり期待していませんでした。漫画と映画は別物だから、と線を引かれ、違うものになってしまうことも覚悟していました。
でも監督にお会いしてみたらそんな心配は吹き飛びました。監督の発言一つ一つが原作への愛に溢れていて、私が何も言わなくても世界観やキャラクターを理解してくださっていることがわかりました。
撮影現場を見学した時には、目の前にある光景がイメージ通りすぎて、「監督は私の頭の中を直接覗いたのだろうか...」と、怖くなるくらいでした。
撮影した映像をモニターで初めて見せていただいた時の興奮をよく覚えています。憧れていた映画のスクリーンの比率の中に、連載時に思い描いていた風景が美しい空気感と色彩で現れて、監督の作り出す映像の世界に鳥肌が立ちました。
また、キャラクター一人一人の気持ちに寄り添い、理解し、役者さんを通してキャラクターを実写の世界に立ち上がらせてくれました。実写ならではの細かい演出や、生きている人の気持ちが入った演技に心打たれました。
そしてなんといっても演奏シーンの素晴らしさ!
ジャズという音楽の魅力、セッションで会話する楽しさ、その楽しさが波のように押し寄せる様子が映像になっていて、音、構図、光、カット割り、などすべてに「最高!」と言いたくなります。
「坂道のアポロン」の実写化を、三木監督にお願いしてよかったと心から思っています。
これ以上ない、最高の実写化であり、一本の映画として素晴らしいものにしてくださいました。本当にありがとうございました。

三木監督:
(BGMで流れている)小田和正さんの主題歌がヤバい(笑)!

小松菜奈さんへ
律子の役を小松さんにお願いすると聞いた時は、原作での律子の田舎娘ぶりから考えて、あまりにも美しすぎる、ミスキャストなのではないか、と思っていました。
が、それは全くの杞憂でした。おさげにして、制服や60年代のかわいい服に身を包んだ小松さんの姿を初めて拝見したとき、「律子だ!」と声をあげてしまいました。表情や動きからは律子の優しさや素朴なかわいらしさ、そしてちょっとお転婆な性格が滲み出していて「役者ってすごいな」と思うと同時に、小松さんご本人の生来のかわいらしさにキュンとしてしまいました。そして60年代の服が似合うこと! ミスキャストだなんて思ってごめんなさい、大正解です。
律子は揺れながらも、薫と千太郎の友情を見守る立場です。
映画では原作よりも律子の目線に重きを置いていて、観客の気持ちを誘導する役割を律子が担っていたように思います。私も、律子が微笑めば表情が緩み、律子が涙を流せば一緒に泣いていました。それも、演技に対してではなく、実際に嬉しくなって笑ったり、セッションに感動して本当に涙を流していることが...。私は撮影現場で見たのでますますそれがわかるのですが、伝わってきて胸が熱くなりました。
律子をより魅力的なキャラクターにしてくださってありがとうございます。
実写版の律子にすっかり惚れてしまいました。大好きです。

小松さん:
(涙をこらえながら)ありがとうございます。

中川大志さんへ
千太郎は「坂道のアポロン」におけるもう一人の主人公と言えるくらい重要なキャラクターです。実写化のお話が来る前から、「アポロンをもし実写化したとしても千太郎を演じられる俳優さんってそういないよね」という話をアシスタントさんたちとしていました。
外国人の血が入っているけれど日本人寄りの絶妙な顔立ち、身長は薫より頭一個分高く、喧嘩が強そうな体、方言、そしてジャズドラムが叩ける。
今こうした羅列をしただけでも目眩がしますが、その全部を持って現れてくれたのが中川さんでした。顔立ちと身長は元々として、この役のために髪型を変え筋肉をつけ、方言もジャズドラムも習得して、川渕千太郎として九州に降り立ってくれました。
一度体育館でドラムの練習を見学したときには、複雑なジャズのリズムを(ちょっと照れながら)笑顔で叩く姿に、「練習したからってこんなにできるものか?」と自分の目を疑いました。
いくつかのインタビューでの中で、「千太郎が降りてきた瞬間があった」と仰っていましたが、外から見ても確かに撮影現場でお会いした中川さんは間違いなく川渕千太郎そのものでした。映画のなかで豪快に、太陽のように輝き、ときに繊細でほの暗い影の部分を見せる、両面性をもつ演技が素晴らしく、そして光でも影でもない、ぼけっと気の抜けた表情までが本当に千太郎で、なんていい役者さんに巡り会えたんだろうと感激しました。
特にセッションシーンでの、千太郎らしいドラムの叩き方、薫を煽るような挑戦的な目つき、心から音楽を楽しんでいる笑顔は、私が漫画で描きたかった千太郎の姿そのままで、その姿を見ているだけで涙が溢れました。
もうあの時の生身の千太郎には会えませんが、会いたくなったら映画を観ます。
そこに生きている千太郎がいるから。映画って素晴らしいですね。
最高の千太郎をありがとうございました。

知念侑李さんへ
眼鏡を掛けた七三分けの秀才で、ちょっとひねくれた60年代の高校生。
そんな役に、普段は輝かしい舞台で歌って踊るお仕事をされている知念さんが、こんなにぴったりはまるとは思っていませんでした。知念さんは謙遜して衣装とヘアメイクのおかげと仰るけれど、そんなことはありません。薫というキャラクターを理解し、演じながら、内側から薫に共鳴してくださっていたのだと思います。そうでなければ、あんなに細かい演技の隅々までに薫を感じることはないと思います。いろんな目の表情、メガネを外して涙を拭う動き、袖のまくり方、話し方、歩き方、そしてピアノを楽しそうに弾く姿。すべてに薫が宿っていて、メガネを外した時の顔の美しさとともに、実写になった喜びを感じさせてもらえる演技でした。
ピアノについては、スタッフさんから「知念さんの上達ぶりがすごいです、すごいです」と言われるばかりでなかなか弾く姿を拝見できなかったのですが撮影現場で初めて演奏を聴いたときは、本当に感動しました。あのジャズの即興的で複雑なアレンジを、必死な感じではなく楽しそうに、千太郎と目を合わせながら弾いている姿を見て、「これは大変な映画になるぞ」と思いました。
映画で観る演奏シーンは本当に素晴らしく、何度観ても鳥肌が立ち、拍手を送りたくなります。
初めての主演映画ということで緊張されていた、と聞いたのはクランクアップの報告を受けた時が初めてでした。現場でお会いした知念さんは常に何かのリズムを刻んでいたり、ぼそっと面白い事を言ったり、変な踊りを踊ったり、撮影の合間に「映画に出ていない曲を覚えてきた」と言ってさらさらと弾いて見せたりと、いつもリラックスした雰囲気だったので、クランクアップのときに感極まって泣いたと伺ったときには驚いてしまいました。
大分の撮影の時にスタッフさんから聞いた話では、撮影中に苦難が訪れた時にも知念さんは周りを気遣い、ユーモアをもって場を明るくしていたと伺いました。この映画の主演として、座長としてプレッシャーと闘いながらこの映画を引っ張っていってくださったことに心から感謝します。
「坂道のアポロン」という作品を描いてよかった。
そして知念さんが薫と出会ってくれてよかった、と心から思います。
一生ものの素晴らしい映画を、ありがとうございました。

小玉ユキ

知念さん:
(涙を拭いながら)いやぁ、恥ずかしい! 小玉先生にやっぱりこの映画ができて、一番喜んでいただいたことが嬉しくて...。ちゃんと僕でよかったと言っていただいてよかったなとホッとしています。人前で泣かないと決めているんですが...恥ずかしいです。

中川さん:
本当にありがたいお言葉をいただきました。自分であり自分ではない千太郎なので、僕としても、もう会えないと思うと寂しい部分もあるんですが、この映画の中に残せたと思います。原作を読んだとき、「なんてこいつら、楽しそうなんだろう」って本当に思いましたが、初めて知念くんとセッションをした時、薫の楽しそうな表情の意味が自分のものになったとき、「これを表現しないといけないな!」と思ったんです。その瞬間を思い出しました。ありがとうございました。

小松さん:
嬉しいですね...手紙ってずるいですね(笑)。音楽もあると、より沁みわたりますね。自分でも律子はミスキャストなんじゃないかと思っていて、田舎の素朴な女の子...私自身結構悩んで、難しいと思いながらやっていたけれど、二人の姿を見ていると自然と優しく見守っていたいなと思えました。その現場にいられたことがすごく幸せでした。

MC:監督は最初、オファーを一度お断りされたそうですね?

三木監督:
(泣きながら)本当に頑張ってくれたんですよ。こんな...自分の想像の100倍、すごい演奏シーンを撮ることできてよかったよ。本当に。

舞台上で監督とキャスト陣が抱擁!

三木監督:
この三人で撮れたのが幸せですし、現場が本当に楽しかったです。作品ということじゃなく、自分の人生にこういう時間があったことが一生ものだなって感じがしました。それが皆さんの心に残るものになってくれたら嬉しいです。この作品と出会えたことは最高の宝物だなと思います。

MC:こうして皆さんの前に立つことは最後になるかもしれませんが、知念さんから締めのメッセージをお願いします!

知念さん:
これで終わりになってしまうのが寂しくて、締めたくないなって思いもありますが、次の上映スケジュールとかいろいろ問題もあって締めないと...(笑)。今日が最後のイベントですが、僕たちのところから作品が飛び立ってたくさんの方の心に届けば嬉しいと思いますし、皆さんの一生ものの映画になればいいなと思います。また忘れられなくなったら劇場に観に来ていただければと思います。今日は本当にありがとうございました。

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